毎度おなじみ、CHAORAS森野です

少しずつ暖かくなってきています。てぬぐいが本格的に活躍するシーズンがやってきますね。

アウトドアシーズン本格化の前に、皆さんが「スポーツてぬぐい使ってみたい!」と思えるような渾身の記事を書きます今回は。

そしてちょっと長めです。でも最後までお付き合いいただければ、スポーツてぬぐいの見方は間違いなく変わると思います。きっと感動しますよ!

 

先日ご紹介しました、神戸のSITTING BULLさんはCHAORASスポーツてぬぐいのことを、「陸王のようだ!」と言ってくれました。

実際、私も様々なお客様に提案する中で、何度か「陸王ですね!」と言われてきました。

なので今では私も営業トークによく使っています。「陸王てぬぐいですよ!」 これがなかなか効くセリフなのです。

私も本業はデザインに携わる身、職業的にネット画像をそのまま使うのはアレなので、イラストに起こしました。

イラスト製作8分、ちょっとやっつけ気味、おっと今日は少し真面目なトーンで行こうと思ってたんだ、失礼しました。

 

タイトルにもあるように、本題です。スポーツてぬぐいのどんなところが陸王のようと言われているのでしょうか。

まずスポーツてぬぐいの、と言うよりはCHAORASというブランドの理念として、

「過去から受け継がれた日本の文化や技術にスポットを当て、新たに今の時代にニーズを作り、そのスピリットを継承していく、そして地場産業の持続的な発展に貢献する」

in Englishでは「Tradition & Innovation」

という理念があります。

このスポーツてぬぐいという商品に関しては、「てぬぐいの優れた部分はちゃんと残し、今の時代のニーズやシーンに合わせて変えるべきところは変える」ということ。

なぜそう考えたのか?

昔ながらのてぬぐいは今でも愛好家の方は多くいらっしゃいます。私も使っています。しかし、どうしても一般的には馴染みの薄いもの。

そして時代の波に飲まれて需要が伸びないのが事実。このままでは地場産業は衰退してしまい、てぬぐいを使うという文化も廃れていきかねない。

新たなシーンを作り、新たなニーズ、市場を育てていかなければ。

 

そもそもてぬぐいが本来持つ機能として優れているのは、

軽さ/コンパクトさ/吸水速乾/綿100で肌に優しい という点です。

この機能が現代のシーンでもっとも活きるところ、そう、私も大好きアウトドアやスポーツのシーンに注目しました。

 

 

では、何を尊重し何を残し、何を変えたのでしょうか

 

今回ご紹介したい陸王ポイントはこの2点。

①素材を変えた

②生地端を縫製した

 

 

順を追っていきましょう。

陸王ポイント①:素材を変えた

従来のてぬぐいは綿100%です。もちろんそのままでも吸水速乾に優れ、軽くてコンパクト。肌にも優しい。実際、登山では愛用する方も多くいらっしゃいます。

しかしスポーツてぬぐいは、理念にもあるようにニーズを作るミッションがあります。アウトドアやスポーツでもっと多くの方に使ってもらえるには、もっと多くの方に刺さるディテールが必要。素材も例外ではありませんでした。

そこで出てきた素材がこれです

SANTACRUZのバイク?? 

いやいや、竹です。

すみませんブランキードッグさん、画像拝借しましたhttps://www.facebook.com/blankydogbikes/

 

使用したのは竹由来の繊維、バンブーレーヨン。(※緯糸に使っています。経糸はコットンです)

 

普通はそんな業界的に謎の糸で生地を織ってくれないのですが、生地の産地である、愛知県知多半島のチャレンジングな工場さんに出向いて想いを伝えます。

そして、想いに応えて生地をすぐに織ってくれました。

工場内の様子。昔ながらの織機がすごい音を立てながら生地を織っていきます。この昔ながらの織機であることがポイント。ほどよいアナログ感の独特な風合いはこのシャトル織機からしか生まれません。

 

そして出来上がった生地は、想像していなかったドレープ感と柔らかさ、ストレッチ性のある素材でした。

この素材はとてもアウトドア・スポーツ向きなのです。

その1:竹が本来持つ抗菌性で、雑菌が湧きにくい。

その2:コットンより吸水性・速乾性に優れた素材。

その3:元々が天然由来の繊維で肌に優しいのです。そしてレーヨンのphは5~6。これは弱酸性です。つまり、より肌に優しく。

その4:ドレープ感ある、柔らかい肌触り。肌になじむ触り心地です。

化学繊維全盛の今、てぬぐいの良さとも言える肌に優しい天然由来の素材という部分は残しつつ、機能面でも訴求できる素材なのです。

肌触りも化学繊維にはない優しさ、柔らかさが生まれました。

和柄のラインナップにはバンブーレーヨンではなく麻を緯糸に使用していますが、麻も同様に抗菌性、速乾性に優れています。

 

 

そしてもう一つ

陸王ポイント②:生地端を縫製した

 

本来のてぬぐいは生地端は切りっぱなしなのですが・・・

これは悩みました。変えるべきかとても悩みました。

なぜなら、切りっぱなしであることにはちゃんと意味があるからです。

昔ながらのてぬぐいの、切りっぱなし部分。

これは、実は水抜けが良くて乾きやすい=雑菌が湧かない という昔ながらの工夫なのです。

てぬぐい愛好家の方もこういった部分に価値を感じて使ってくれているのです。使ううちにフリンジ状になるのも、育てる楽しみです。

 

しかし、アウトドアユースにおいては、リサーチするうちに端のほつれが気になっている人も多くいることが分かってきました。

意味のあるこのディテールを変えるべきなのか、このままでちゃんと意味を伝えていけばいいのか、いややはり変えるべきなのか・・・悩みました。

そして、やはり市場を切り開くためには、新たなユーザーの方々がより使いやすいものにするためには、ここは変える決断をしました。

 

しかしここで壁にぶちあたります。イメージに合う、適した縫製がないのです。

例えばよくある縫製がこの三巻縫製。

一般的な縫製ですが、これでは折り込んで厚くなった部分に水がたまりやすく、雑菌が湧く=ニオイが発生しやすくなってしまいます。

これでは本来のてぬぐいの良さを活かせていません。

 

あれこれ悩み、探しているうちにようやくたどり着いたのが、糸のみで縫製するロックミシンでした。

折り込まずに糸のみのロックミシンをかけることで、できるだけ水抜けを良くして、ほつれを防ぎつつ生地の乾きを邪魔しないようにする選択でした。

 

しかしロックミシンというと、ジーンズの裏など見てもらうと分かると思うのですが、画像のようにもっと隙間のあるざっくりした縫製です。

糸の隙間の広いロックミシンだと、糸のほつれは止まりません。

より密度の高いロックミシンにする必要があったのですが、薄い生地なので縫製部分が波打ったり歪んだりする危険性がありました。

それで商品になるのだろうか。。。

 

しかし、色々可能性を探しているうちに、高い密度でまっすぐ均一に、このロックミシン縫製ができる工場さんがあったのです。

しかもおそらく、日本にここ1軒だけ。

もちろん縫製をお願いします。そしてすぐに想いに応えてくれます。この縫製の感じ、まさに陸王ですね!

 

そうして出来上がったのが、

これだけ高密度で糸のほつれを防ぎ、かつこれだけ歪みのない真っ直ぐな縫製なのです。実はすごい技術なのです。

しかも、ビジュアルとしてもオリジナリティあふれるものになりました。

 

他にないスポーツてぬぐい独自のディテールは、こうして生まれたのです。

他にも長さのことや使用イメージのこと、吸水柔軟加工のことなど、まだ言いたいことはたくさんあるのですが、またの機会にします!

スポーツてぬぐいは、CHAORASの想いに共感してくれた人たちの心意気と、ニッポンの素晴らしい技術の詰まったストーリー溢れるプロダクトなのです。

手に取った際には、そんなストーリーにも思いを馳せてみてくださいませ。

ほら、見方が変わったでしょう?

 

扱っていただいているお店の方も、もしここをご覧になられていたら遠慮なくそのまま接客トークに使っちゃってください。

きっとお客さまにフックします!

 

ではまた!

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