9月10〜11の2日間で、パーゴワークスさんのファンイベント「PAAGO NAVI&CAMP 2022」が開催されました。
長文ですがしばしお付き合いください。
今回、大会としては、第0.5回という位置付け。
ナゼ0.5回目かって言うと、まだまだ大会内容を検証する余地があるからということのようで、まだ一般募集はせずに招待&紹介での募集となったようです。ちなみに前回は「第0回」笑
結論から言うと、とっても良かったです。めちゃくちゃ楽しくそしてしんどかった笑
2日間で4種目の競技を競い、その合計点で最終順位が決まる内容なんだけど、随所にパーゴワークスさんらしい遊び要素が盛りだくさんで、私みたいな競技志向でない人間もちゃんと楽しめて、得点を上げるチャンスがあるのがとてもいい。
大会概要より拝借
世界レベルで戦っているような本気のトレイルランナーやオリエンティアたちが参加している中、最初から表彰台なんて狙ってなかったんだけど、なんだかんだ得意分野を活かしたりやアウトドアとは全く関係ないような自分の引き出しを駆使して、手持ちの武器で戦ってきました。
全てはマッチングサービスから始まった
パーゴワークスさんは以前からお仕事で色々絡んでいるうちに何度か晩御飯ご馳走になったりととても仲良くさせてもらってます。
テツさんのプロダクトデザインに対する姿勢、哲学がとても尊敬でき、スタッフの雰囲気も工房的な事務所の雰囲気もすごく好き。いつもありがとうございます。
で、8月頭くらいにパーゴワークスのユーリさんからニンジャタープ手ぬぐいのリピート生産のお願いが来ました。
その文面に、「9月10と11でファンイベントあるのでモリノさんもご参加ください!」とあるわけです。
2人バディでの申し込みが基本なので、いつもボッチで山行ったり海潜ったりしてる私は相方も思い当たらず。 うーん、ボッチには無理かな。と思いながら、イベント当日が近づくにつれて過去の第0回大会の様子もチェックしてしまう自分がいて、ユーリさんに諸々の連絡を入れた際に聞きました。
モリノ「一人だけど参加できるもんなんですか?」
ユーリ「現地でマッチングするんで。」
新手の婚活を思わせるまさかの現地マッチングサービスの案内。
これはパーゴワークスさん、少子化の時代を見据えた新ビジネスですね。
というわけで、参加決定。
朝の競技前の様子
これからもアウトドアの世界に関わっていきたいという気持ちはすごくあるんだけど、ユルく気ままに自然の中に入っていく自由なスタイルな分、我流な部分が多くてどうも自分のアウトドア観や視野の広がりに限界を感じていました。きっとまだ見えていない景色や楽しみ方がたくさんあると。
CHAORASとしてブランドの中の人やっていると、特にいろんな人やスタイル見るから余計にそういうの感じるんだよね。
そんな中で様々なバックグラウンドを持つ人たちと繋がることで、自分のアウトドアに対する楽しみ方や視野を広げたかった。というのが実は私の今回参加した一番の動機。
その辺のアウトドア観の話になるとすごく長くなると思うんでまたの機会に。話すかわからないけど。
現地でユーリさんに紹介されてマッチングとなったのはすのこさん。
※すのこさんは元々ボッチではありません。男前キャンプとしてバディを組む予定だったA-Sukeさんが急遽出店で運営に回ってしまったので一人になっていたとのこと。
走力に全く自信のない私に、「走らないですよ」とある意味安心する一言をかけてくれました。
「うん、それでOKです。ユルくいきましょう」
と意気投合。
見よこの数十年来の友人であるかのような二人。
マッチングサービスったって女子と組んでもらえるなんて最初っから微塵も思ってませんでしたからね。
仮に女子とバディになったところで、ガチムチランナー女子と組んだら全くついてけず罵倒される、新しい性癖に目覚める未来しか見えません。
ユーリさん、グッジョブ。
二度見するエリアマップ
初日、第1種目 フォトロゲイニング
ざっくり説明すると、1/25000の地図とコンパスを用いて、エリア内のチェックポイント(以下CP)を制限時間内に回り、CPで写真を撮ってアプリ上にUP、合計スコアを競います。
えっ、エリア広っ!
競技開始前に地図読み講習を受け、その後に本番の地図を渡されます。
スタート前の作戦タイム中。最初から走る選択肢を放棄している私たちは、楽しめそうなコース取りを考えます。
すのこさんとバディ予定だった水道橋BaseCampのA-sukeさんも参加。
参加者の多くを占める、本気のトレイルランナーやオリエンテーリングの人たちに対して、雰囲気の違う人たち。
私は一応トレラン的な格好して臨んでますが、全く走りませんでした。
なんか走る雰囲気漂わせて、一切走らない人の図。(左)
出した結論は、「標高2500m超えの編笠山山頂の最高得点CP1本のみ取って帰ってくる。他のCPには目もくれない」
と言う、男前キャンプというチームコンセプトに振り切った作戦を採用することに。
ところが、、、
編笠山をスタートしてほどなく、バディのすのこさんが体調不良を訴えます。
申し訳なさそうにするすのこさん、しかし「冒険の最大の目的は生きて帰ること」を信条としている私は、無理せず下山を薦めます。二人で話して、麓の近場のCPを取りに行く作戦に切り替えました。
しかしこの作戦変更が、スコアを気にせずユルく楽しむ予定だったチームの思わぬ善戦につながっていくことになります。
来る。きっと来る。
CPではバディのうち一人を写真に収めなくてはいけません。
アプリを使用しており、撮った写真は運営側にリアルタイムで共有されます。
純粋なスコア勝負では他チームに敵わない。ならば何か爪痕を残してやろう。モブにはモブの戦い方があるんだぜ。
そして続々と運営に送りつけられる心霊写真の数々。
ざわつく運営。ゴールに戻った時にはMCスケさんが例の曲を歌う中での異様なゴールとなりました。
バディすのこの本気
第2種目 チャッカアンドゴー
全員戻ってきてから少し経って、第2種目着火アンドゴーがスタートします。
メタルマッチを使って火を起こし、水を沸騰させるまでの時間を競います。
ここで相方のキャンプガチ勢すのこさんが本領発揮。
薪の組み方に執念が垣間見える
前回大会は火おこしにもいろいろこだわった結果、思う結果とならず悔しい思いをしたとか。
この競技のリベンジに燃える今回は容赦なく一発で火をつけ、一瞬で火を大きくします。
大会記録となる確か6分台で(詳細タイム忘れた)、この種目1位を獲得。
ボーナススコアで思わぬ善戦
このまま起こした火を使って振る舞われた焼鳥を焼いたり、ビールが振る舞われたりと夜のお楽しみタイムに突入。
と、ここで初日の途中経過が発表されるんですけど、4種目の競技スコアとは別でパーゴ社長賞が発表されます。
4つほど社長賞発表され、その中に心霊写真をひたすらUPした功績(というか恐怖)が認められました。
第一回貞子賞受賞作品
思わぬ加点が入り、更に火おこし1位もあって、なんと初日を総合2位で折り返します。
焚き火を囲んで進む酒、パーゴさんとベースキャンプさんから振る舞われる酒と肴の数々。
結局夜中までやっておりました。こういうのがいいよね。
優勝候補からの転落
さて2日目のスタート。
初日2位折り返しだったこともあり、運営側から「優勝候補」と煽られる中、
第3種目パックアンドゴー(パッキング競争)からの即第4種目オリエンテーリングへと進んでいきます。
一斉にパッキング開始
パッキングでは本気のUL勢が一瞬でパッキングする中、我々はそこまで振るわず笑
次回改善できるとしたらパッキングかなあ。
パックアンドゴーからそのままの流れでオリエンテーリング本番に移ります。
このオリエンテーリングだけA-Sukeさんも男前キャンプチームに合流。
3人で森を徘徊します。
ロゲイニングよりはエリア絞ってあるけど、やっぱり広い。
オリエンテーリングでは1/10000の地図を使うんだけど、この地図がすごい。載っている情報が段違い。
沢や尾根がよりはっきり分かるのはもちろん、岩や窪地、植生の境目や藪漕ぎ時の藪の高さまで分かります。
この地図とコンパスを駆使し、現在地と目的地を割り出して地図と地形が一致しているか確認しながら走る競技とのこと。我々は歩きですけどね。
体力だけでなく、地図読み力と記憶力、集中力が求められる競技で、学生では東大京大が異常に強いんだそう。
というか、これだけのエリアをこれだけ詳細な地図に仕上げる運営がすごい。
ぜひウチの裏山もこの地図にして欲しい。自分でやれってね。
初日のロゲイニングでとんでもない藪漕ぎしてしまった我々は、極力藪を避けて回ります。
これは藪ではありません。道です。
これは藪だが、ククク・・・コイツは藪の中でも最弱。
CPは藪の中にあることも多く、藪の高さまで詳細に記された地図はほんと頼りになる。
この日も歩いて行ける範囲のCPを取って、深追いせず帰還。
本気の人たちは、僕らの何倍ものスコア取ってました。一体どれだけCP回ってるんだ・・・
全員が帰還して、スコア集計&表彰式。
最終的にはやはり、UTMB完走者やオリエンテーリングのチームジャパンといった面々が上位に入ります。順当です。
表彰台に上る面々。錚々たるメンバーです。
競技が一切ベースにない我々は、あの手この手でなんと総合9位に食い込みました。
一番下のそれ。輝く火起こし100点と貞子加点
火おこしの1位と貞子ポイントがなかったら一体何ポイントだったんだよと恐ろしくもなるけど、半分より上にすらいけると思ってなかったので、まさかの善戦ということで。
楽しみ方は、まだまだ山ほどある。
参加者のバックグラウンドはトレランやオリエンテーリング、キャンプ、ハンティングやってる人などほんと様々。
そんな人たちが山を通して繋がれて時間を共にすることで、お互いに知らなかった世界や楽しみ方を身をもって経験できるんじゃないかと思います。
いろんなジャンルにファンがいて尚且つみんな受け入れちゃうユルさ懐の広さのあるパーゴワークスさんだからこそのイベントだなと思いました。
実際、僕も本気のランナーやオリエンティアと交わって、彼らのやっていること、レベルの高さを目の当たりにするのは刺激的だったし、バディを組んだすのこさんの森の中の空気感を五感で感じ取る姿や、A-Sukeさんのハンティングやキノコ狩りの話もほんと面白かった。
夜の宴会をライブ会場にしてくれた子の、ギターケースにギター&衣食住すべてを詰め込んで競技に参加する姿はとてもフリースタイルだったし
UL追求チームの顔だけスケスケテントもエロくて最高だった。(両方男性なんだぜ)
自分もやっぱり、こんなスタイルで自然に入っていきたいなという姿がまた見えたし、少なくとも競技には向いていないということも認識できました。わかってたけどね。
参加していろんな人たちと交流して、自分のアウトドアに対する視野がすごく広がったなと思ってます。
この大会のまとめ
・ボッチでも参加可能 マッチングサービスあり
・本気のランナー、オリエンティアでなくても、楽しめる要素はたくさん。
・ガチ競技者でなくても、上位に食い込めるチャンスあるかもしれない。
・ザックなどのギアは現地で急遽調達可能。レンタルもあり。(ただしパーゴワークスさんのアイテム)
・アウトドアはやっぱり文武両道の遊び。心技体を鍛えましょう。
・地図読み、コンパスの使い方、やっぱり我流でした。矯正されました。
・藪漕ぎがデフォです。耐性ない人はおとなしく長ズボン一択です。腕も傷だらけになります。
・我々走らない勢でも2日で40キロほど歩いてました。本気勢は一体どれだけ移動したのか分かりません。
・軽さは正義。快適を捨てて限界値を知るのも良し。
・暗闇では私とパーゴのギアマニアSさんは見分けがつかないようです。何度も間違われました。パーゴの中の人にすらも。
・いろんなジャンルの人たちと交流することで、新しい世界がひらけます。アッー
・次回はサダコって名前でのエントリーになるっぽい
ここまで読んでくれたアナタに